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■『戦旗』1622号(10月5日)6面

 
狭山再審闘争は最大の山場
 10・28狭山集会に参加しよう
 
 
   狭山差別糾弾! 石川さん無実の再審を開始せよ!
             全国狭山闘争連絡会議(全狭連)





 一九六三年五月の狭山事件発生―石川一雄さん不当逮捕から、今年で五九年を迎えた。水平社創立一〇〇年の歴史の、実に半分以上が狭山闘争の歴史でもある。「四回目の二〇歳(八〇歳)を迎える前に再審勝利を勝ち取りたい」と話しておられた石川さんは、既に八三歳。「今年こそ!」「来年こそ!」と言われ続け、しかし検察側の不当な引き延ばしにより事態はなかなか進まなかった。
 その狭山再審闘争が今、最大の山場を迎えている! 狭山弁護団は八月二九日、ついに「事実取調請求書」を東京高裁に提出したのだ。重大な局面の中で行われる一〇月二八日の「10・31寺尾不当判決四八カ年 狭山事件の再審を求める市民集会」(日比谷野音)・デモへの参加をはじめ、狭山再審闘争が全国各地において全力で取り組まれるよう呼びかけたい。


九月一日第五一回三者協議と記者会見

 三者協議に先立つ八月二九日、狭山弁護団は東京高裁に新証拠九点と事実取調請求書を提出した。第三次再審請求において弁護団が提出した、石川さんの無実を示す新証拠は、これで二五五点にもなる(検察側も一九〇点以上の証拠を提出している)。事実取調請求書は、これまで提出された二五五点の新証拠のうち厳選した証拠の、鑑定人一一人の証人尋問(鑑定人尋問)と、万年筆インクについて裁判所による鑑定の実施を求めるものだ。
 具体的には、脅迫状の筆跡・識字能力、指紋、足跡、スコップ、血液型、目撃、音声、万年筆、自白、殺害方法、死体処理についての鑑定書を作成した科学者や専門家鑑定人一一名の尋問を求めている。高裁が再審を開始すべきかどうかを判断するためには、これらの鑑定人尋問は必須であると、これまでも弁護団は訴えてきた。
 これに対して検察官は、反論の意見書を提出するとしている。ここに至っての引き延ばし、腹立たしい限りであるが、事実調べ・鑑定人尋問の実現に向けては、大野勝則裁判長に決断を迫っていく闘いが必要だ。なによりも「否決」をさせない、大きな世論の後押しが必要である。
 狭山事件においては、一九七七年の第一次再審請求以来四五年間にもなるが、一度も鑑定人尋問などの事実調べが行われていない。この異常ともいえる状況を、今度こそ打破しなければならない。次回は一一月と言われている第五二回三者協議、そして来春までが、ひとつ大きな山場であることは間違いない。


差別判決許すな! 狭山再審闘争に勝利しよう!

 「狭山闘争の勝利なくして部落解放なし 部落解放なくして狭山の勝利なし」と言われてきたように、狭山事件は部落差別に基づく冤罪事件である。警察はのっけから被差別部落への差別捜査を行ない、i養豚場で働く青年らに目をつけるや、アリバイを証明できなかった石川さんをでっち上げ逮捕したのだ。
 部落差別と貧しさにより小学校にも十分に通えなかった石川さんは、当時読み書きができず、身を守るすべも知らなかった。それでも過酷な取り調べに対し「俺はやっていない」と、一カ月頑張った石川さん。貧しい一家を支えているお兄さんが犯人であると思い込まされたことにより、また「自白すれば一〇年で出してやる」と「男の約束」を刑事と交わしたのだから、大黒柱のお兄さんを奪われるよりは……と、「自白」をしてしまったのだ。
 そこから警察・検察が作り上げた事件のストーリーや証拠の捏造は、あまりにも無茶苦茶である。狭山現地調査に行けば、荒唐無稽ぶりが一目瞭然だ。それらの捏造証拠をもとに有罪判決が維持されてきたことは、司法による、国家による、重大な差別事件・差別犯罪であるとしか言いようがない。絶対に許してはならない。
 石川さんが元気なうちに無罪を勝ち取り、「見えない手錠」を外すために、固く閉ざされた再審の扉を突き破ろう! 石川一雄さん・早智子さん、そして全国の仲間と共に闘おう!
 安倍長期政権に続く岸田政権下において、激化する差別排外主義と戦争策動を撃ち破る闘いとして、絶対に正義を勝ち取ろう!


23デー行動、要請ハガキ、街頭行動を展開しよう

 三者協議を受けて石川一雄さんは「新証拠は全て私の無実を示している。提出された証拠を見れば、有罪判決はあり得ない内容だ」「私は無実だが、やはり裁判長が判断しなければ『石川一雄が殺人犯である』というレッテルは外れません。最後の闘い、最後のお願いでありますので、裁判官の勇気ある決断を求めます!」と、再審闘争の重大な局面に向け闘志を新たにしている。
 高齢で基礎疾患のある石川さんは、この三年間に及ぶコロナ禍においては、全国各地へ出向くことも叶わず忸怩たる思いで過ごしてこられた。この数年で視力が弱まり、外出や読み書きにも支障をきたしてきたという。しかし再審・無罪を勝ち取るまでは、九〇歳までも一〇〇歳までも生きねばならぬと、日々トレーニングを欠かさない。映像等により、力強いメッセージも発信し続けてこられた。
東京高裁前では、コロナ禍以前は石川一雄さん・早智子さんが行なってきたアピール行動が、外出できない二人に代り多くの仲間の結集で闘われている。石川さん不当逮捕の五月二三日を忘れない「23デー」の取り組みは、毎月全国各地の駅頭・街頭で行われてきた。
 「裁判所は、世論の動きを大変気にしている。要請ハガキや署名、高裁前でのアピール、集会開催や街頭情宣が、どれだけ多く行われているかを気にしているものだ。決して無駄なことではない。」と、弁護団からも訴えられている。全国の部落解放同盟各支部・共闘団体が、これまでも粘り強く闘い続けてきたが、これまで以上の闘いが必要なときが来たのだ。
 事実取調請求書の提出を受け、オンライン署名も含む新たな緊急署名を、10・28狭山市民集会当日提出までに一〇万筆、年内に二〇万筆目標で取り組もうと呼びかけられている。全国の狭山闘争勢力は、全力で取り組んでほしい。これまで以上の闘いで世論に訴え、大野裁判長に事実調べ・再審開始の決断を迫っていこう!
 10・28狭山集会に結集しよう!

 


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